ロンドン2012年大会に近代五種で出場した黒須成美さんが1月23日、浦安市立富岡中学校(浦安市富岡1)で「JOCオリンピック教室」を開催した。
黒須さんは当日、中学2年生に体育の授業で近代五種を身近に体験する授業を行った。走る、横向きのステップ、平均台を歩く、跳び箱を跳ぶ、机の上のカップを高く積み上げる動きをリレー形式で行い、スピードと紙コップの高さを点数化してチームごとに競った。
1回戦を行った後、チームごとに作戦会議の時間を設けた。児童たちは「速さを競うか、高さを競うか、どの順番が自分たちに有利か」などを話し合った。2回戦目を行うと順位が変わり、点数がアップしたチームが多かった。1回目で競技の特徴をとらえ、チームワークも良くなった結果、紙コップを、より高く、より早く詰み上げる工夫ができた。
体育の授業の後は、「オリンピックバリュー」をテーマに座学の授業も行った。黒須さんは「オリンピックバリューとは、エクセレント、フレンドシップ、リスペクトの3つの価値がオリンピックの中にある。それはオリンピックという特別な場面だけでなく、日常生活の中にもある人間にとっての大切な価値観」と説明した。
生徒たちは「エクセレント」「フレンドシップ」「リスペクト」が、どのような身近な場面にあるのか、グループごとに意見をまとめ発表した。
さらに近代五種で使うレーザー銃を持ったり、アジア大会のメダルに触ったり、重さを感じたりするなどした。
授業が終わると、黒須さんは「出だしは緊張していた生徒も、体を動かすとすぐに打ち解け、笑顔も見られた。座学ではオリンピックバリューのアウトプットも積極的で楽しく授業ができた。オリンピックバリューは身近な生活の中にも感じられるものだというのが伝わるのはうれしい。生徒たちには夢を持って頑張ってほしい」とエールを送る。